年末年始とあわただしく時が流れ、正月三が日を過ぎた頃、「松の内に様子を見に行ってこないか」と主人に誘われ車中の人となりました。
東海道山陽新幹線も昔に比べたら非常に快適になりましたし、時間短縮は本当に助かります。途中義父の墓参りに京都で下車しても夕方前には病院へ到着し面会が可能です。今回は京都へは寄らず病院へ直行することにしました。
病院で面会の手続きをし面会室へ向かうと、車椅子に座りにっこりとしている義母がいました。私たちが見た最後の姿からは想像できないほどの回復です。主治医の話は本当だったのです。義母は主人の名前も私の名前もはっきりと言い当てますしその声もしっかりとしたものです。ただ何を思うのか無意識に車椅子から立ち上がろうとします。パジャマの前ボタンを全部はずしてしまったり、袖を何回も折り返したり直したり、テーブルの上を手のひらで丁寧に何度もゴミを集めるような仕草を繰り返しています。話しかけても返事が無く義母にとっての作業が延々と続きます。
とにかく、ここまで回復して本当に良かった。しばらくこの病院で療養生活をしながら様子を見るのであろうと思っていたのです。