伯父から電話を貰う前、病院からも連絡が来ていました。寝場所に利用していた畳敷きから転落、しかも顔から落ちたらしく目の上から頭にかけて見事なコブが出来てしまった。転落時のショックからか不明だが高熱を出しているとの事でした。伯父からは「そりゃあ、お岩みたいな顔になっとるけえ、意識もはっきりせんし大変なことになっとるけえ、早くきてみんさい。」と言われ、翌朝、義母の弟〔叔父〕からも電話が入り「熱が下がらんようじゃけえ、怪我からきとるのと違うのかもわからんからとにかくあんたら着てみんさい」と言われました。普段から仲の良い兄弟で義母が入院してから何度も見舞っていてくれていたのだと知り感謝、感謝です。
ナースステーションに一番近い部屋には数名も患者様。皆点滴がつながっていて殆ど意識が無い方ばかりです。義母は点滴の反対の手をベッドに拘束されていました。手が届かない程度の拘束なので繋がれているという感じではありません。その手を無意識に上げ空中の何かを掴もうとしています。顔は伯父のいうお岩の顔そのもので片半面頬から上が真っ青、真っ黒、所々赤い模様。頭の上には「肺炎の疑い、絶食」と書かれた張り紙がありました。意識はありますが発熱のため辛そうです。
主治医はここではこれ以上の治療は出来ない。認知症患者を受け入れる病院は非常に少ないのが現状である。もし受け入れ先が見つからない、しかし生命に危険が及ぶと判断した場合は、救急車に乗せて出します。と無謀と思えるような判断をされたのです。